2022/06/06
【不動産売却まめ知識vol.23】火災保険と物件評価:その背後にある理由
不動産売却を検討しているあなたに、一つ気になるポイントを取り上げてみましょう。
不動産の評価額と火災保険の価格が、なぜ一致しないのか、その背後に隠れている事情を解説します。
特に、持ち家の所有者として知っておくべきことを明らかにすることで、安心して売却活動を進めていただけるでしょう。
1.火災保険とは何か?
火災保険は、その名の通り火災時の被害をカバーするための保険です。しかし、一般的には火災だけでなく、水損や盗難などのリスクもカバーしています。
2.なぜ火災保険での物件の評価額は低いのか?
シンプルに答えると、「土地の価格を考慮していないため」です。
火災保険は、主に建物の損害をカバーする目的で設計されています。
実際、土地自体は火で燃えることはありません。したがって、土地の価格は火災保険の評価には含まれないのです。
3.日本の土地価格の特徴
日本の都市部では、土地価格は非常に高いとされています。
例えば、東京の中心部や大阪、横浜などの地域では、物件の価格の多くを土地が占めることが少なくありません。
このような土地価格の高さが、火災保険の評価額と物件の実際の価格との間にギャップを生んでいるのです。
4.実例での解説
例を挙げて考えてみましょう。
都心のマンションを持っているAさん。このマンションの市場価格は1億円としましょう。
しかし、火災保険での評価額は、建物の価値のみを基にした7000万円だったとします。
この3000万円の差は、土地価格によるものです。
Aさんが火災に遭った場合、保険から受け取れる金額は建物価格のみを基にした額となります。
5.まとめ
持ち家の所有者として、火災保険の評価額が物件の市場価格よりも低く感じるかもしれません。
しかし、その背後には「土地価格が評価に含まれていない」という理由があります。
売却活動を進める前に、この点を理解し、適切な保険を選ぶことで、より安心して不動産取引を進めることができます。
不動産の売却は大きな決断の一つです。このような基本的な知識を身につけることで、より良い判断ができるでしょう。