2022/08/05
【不動産売却まめ知識vol.44】不動産売却時に出てくる「高額査定」の裏側
持ち家を売却する際、不動産会社からの査定価格が驚くほど高いと感じたことはありませんか?
ここで説明するのは、なぜ不動産会社が高い価格を提示するのか、そしてその後に何が起きるのかについてです。
高い査定価格の心理戦
査定価格が高いと、売主であるあなたがその不動産会社に売却を依頼する確率が高まります。
想像してみましょう。
同じ物件に対して、
A社は「4,000万円」、B社は「3,900万円」、そしてC社は「4,800万円」と査定価格を出してきた場合、
どの会社に依頼しますか?
多くの人が「とりあえずC社に依頼してみよう」と考えるでしょう。
もちろん、査定価格が高すぎて現実離れしている場合も考慮する必要がありますが、
このような心理に働きかけることで、不動産会社は依頼を受けやすくなっています。
手数料の影響
一度依頼が決まれば、不動産会社は何が何でもその物件を売り抜く必要があります。
成功すれば、仲介手数料(注:売主から受け取る報酬)が確実に発生します。
さらに、依頼された不動産会社が買主も見つけた場合、手数料は倍になる場合もあります。
査定価格と最終売却価格のギャップ
ここで一つ注目すべき点があります。
それは、査定価格と最終的な売却価格が大きく異なっても、不動産会社にとってはそれほど影響がない、という事実です。
例えば、査定価格が4,800万円で依頼を受けたものの、最終的には4,000万円で売却されたとしても、
不動産会社の収益に大きな影響はありません。
知っておくべきこと
高い査定価格が提示されたからといって、それが市場価格と一致するわけではありません。
最終的には、市場がどれだけその物件に価値を見いだすかが重要です。
過度に高い査定に飛びつく前に、複数の不動産会社から査定を受け、さらにその根拠をしっかりと確認することが賢明です。
査定価格が高いからといって安易に依頼すると、後で売却価格が大きく下がる提案をされる可能性があります。
その結果、総合的な収益が減ることも考慮しなければなりません。
まとめ
不動産売却は多くの人にとって一生に一度か二度の大きな取引です。
査定価格が高いと心躍るかもしれませんが、その裏側を理解し、慎重に行動することが成功の鍵となります。
市場価格を正確に把握し、複数の不動産会社と比較することで、最も理想的な売却が可能になるでしょう。