2022/09/05
【不動産売却まめ知識vol.55】購入申込書の解説と重要なポイント
不動産を売却する際、必ずと言っていいほど出会う文書が「購入申込書」です。
これは、買い手が購入意志を具体的に示す文書であり、売り手としてはこの内容によって今後の交渉が大きく変わってきます。
その家が長い年月をかけて築いた価値をどれだけ認識してもらえるか、という重要な指標にもなります。
この記事では、購入申込書に何が書かれているのか、そして、どの情報に特に注意を払い、どのように対応すべきかを説明します。
購入申込書の基本項目
購入申込書には概ね以下のような項目が記されます。
・購入希望価格
・購入者の名前
・購入者の住所
・購入条件(例:リフォームの有無、家具・家電の残置等)
・契約・引き渡しの希望日
・住宅ローン利用の有無
これらの項目をよく確認して、次のステップに進むかどうかを判断します。
重要ポイント1: 購入希望価格
購入申込書で一番目につくのが「購入希望価格」です。
これがあなたが考えていた売却価格とどれだけ一致しているかが重要です。
購入希望価格があなたの期待に近い、もしくはそれ以上であれば、当然ですがスムーズに進行できるでしょう。
一方で、購入希望価格があなたの設定価格よりもかなり低い場合は、その理由を聞くか、却下する選択もあります。
重要ポイント2: 住宅ローン利用の有無
次に注意すべきは「住宅ローン利用の有無」です。
購入者が住宅ローンを利用する場合、そのローンが無事に組めるかどうかが売買成立の大きな要素となります。
具体的には、住宅ローンの審査が通らない場合、契約後に解約となってしまう可能性があります。
これは売り手にとっては大きなリスクです。
しかし、住宅ローンを利用せずに購入する場合、そのような心配はありません。
実例を交えて
実際に私が関わったケースで、購入希望価格が売り手の期待価格よりも10%低かった事例があります。
その場合、売り手は地域の不動産価格や近隣の販売事例を調査して、購入者に対して適正価格であると説明しました。
結果的には5%程度の値下げで合意に至り、無事に契約が成立しました。
買主と売主双方が納得しないと成約には至りません。
また、住宅ローンを利用するケースで、購入者が審査に落ちてしまった例もあります。
その際は、購入者側が別の金融機関でローンを組む形で解決しましたが、一時は契約解除の危機もありました。
ただ住宅ローン利用の場合は審査が承認とならないと契約は成立しません。
まとめ
購入申込書には売却活動の成否を大きく左右する多くの要素が含まれています。
特に、「購入希望価格」や「住宅ローンの有無」は売り手としてはしっかりと確認し、検討するポイントと言えるでしょう。
各項目にしっかりと目を通し、よく考えた上で次のステップに進むようにしましょう。