2022/09/14
【不動産売却まめ知識vol.58】高額査定の背景と実際の意味
不動産を売却する際、まずはその価格の査定を受けますよね。
不動産会社が出してくる査定価格が思ったよりも高かったという経験はありませんか?
その背景には、意外と知られていない事情があります。
なぜ不動産会社は高めの査定価格を示すのか
もし、ある物件が4800万円の査定を受けた場合、それが4000万円で売れたとします。
しかし不動産会社の利益への影響はあまり大きくありません。
疑問を持つかもしれませんが、その答えは「手数料」に隠されています。
例を挙げると、4800万円の物件が売れた場合の手数料は165万円。
一方、4000万円で売れた場合の手数料は138.6万円。
この差は約26万円です。
実は買主を同じ不動産会社が見つけた場合、4000万円の売却に対して、手数料は277.2万円となります。
これは売主から138.6万円、買主からも138.6万円で合計277.2万円。
つまり、価格を下げても、買主を探せば不動産会社の仲介手数料はそこまで減少しないのです。
そこで不動産会社が最も重視するのは「売却依頼を受けること」。
そのため、高い価格で査定することで、依頼を受けやすくする戦略が取られているのです。
高査定は良いのか、悪いのか
高額な査定を出すという戦略は、売上を重視するビジネス手法の一つとして取られることが多いです。
しかし、これが良い方法とは限りません。
一見、魅力的に見える高い査定価格も、実際の市場価格と乖離している場合があります。
当然、高い査定価格に基づいて売却では買い手は現れません。
売主が値下げしてでも売ってほしいと言い出すのを待つのです。
結果、市場価格より低い価格での売却につながることもあります。
この点を考慮すると、高査定の背景や意味を正しく理解して、適切な売却戦略を立てることが大切です。
まとめ
不動産の査定は、多くの要因に基づいて行われます。
一つの査定価格に過度に固執するのではなく、市場動向や他の不動産会社の査定価格とも照らし合わせながら
最適な売却方法を模索することが求められます。
高い査定価格が示された場合、その背景や意味を正しく把握し、どう売却するかの判断材料とすることが大切です。
不動産売却は大きな金額が動く取引です。
十分な情報収集と慎重な判断をもって、最良の選択をしてください。